炎上のメンタリストDaiGo

ツリーめっちゃ繋がって読みにくかったので、自分の備忘録兼ねてツイートのまとめ+α

 

生活保護に税金使うのは無駄、ホームレスは○んでもいいというニュアンスの発言を受けて。

※歴史を専門に学んでいる人間ではなく、義務教育程度の知識なので間違ってたらご指摘ください

※反論やより深い考察?あれば歓迎!こちら知識欲あります

 

メンタリストDaiGoの炎上の件やけどさ、ホームレスや犯罪者は○んでもいいっていう発想は肯定する人含めて
・絶対にその立場にならないと思っている
・その立場になっている人は努力が足りない等と思っている
ってのが根本にあると思う。

 

想像力の欠如と視野の狭さが原因でその考え方になってるんやろうな


人って一人じゃ生きていけなくて、分業と物々交換が始まって通貨っていう概念が出来て共同社会が営まれ、それを統治・成長すべく国家が形成されるっていう歴史を辿ってきてると思うんやけど

国家がその共同社会を統治するため・相互扶助を成立させるために税金を皆が少しずつ納めていて、
もしも困窮する立場になっても生き延びられる制度も整備されている っていうのが国民としてその国で安心して暮らすのに必要な要素なんじゃないの?

 

これを踏まえた上で、その立場に絶対ならない!と思える人は、
・環境に恵まれていてそれに気づいてない
・今の自分があるのはすべて自分の努力のおかげである
っていう人やんね
そう思えるくらい頑張ってきたことはすごいと思うけど、私は周りの人に感謝を忘れない人間でありたいな…

 

生活保護を本気で不満に思ってるなら無人島で一人で生きてってほしい。
あるカテゴリの人達の命を軽んじる発言を国の制度に絡めて発信して、それに若い人たちが同調するって民族主義に似た政治思想団体形成の一歩では?


人種差別から始まった大量虐殺や戦争の歴史から学んで繰り返さないように努力すべき、今回の炎上を踏まえて、同調してる人はなぜ自分と同意見が叩かれているのか?偽善者どもめ!などと思わずに自分の持っている知識と合わせて考えてみてほしい

虹/二宮和也 歌唱考察メモ

嵐のニノのソロ曲 虹について、久しぶりに聴いたらすごくこだわって歌ってるんだなーと気付いたのでメモしました!

◎歌詞全体
歌詞に句点が多い。
→語りかけではなく、日記風?←→「ねえほら見てみて影が重なった...」は現在
 映像を言語化(主観)?した曲?

◎全体のダイナミクス
〇移り変わり
特に1A~サビへのテンション推移がなめらかですごい!
なんとなく歌っているとサビのボルテージがあがらずしっとりしたまま終わってしまいそうな
音域の変化(メロからサビの幅は一オクターブ半ほど)
→サビでこれくらい出したい!というところから逆算してあげていっている?
1A前半 10~15
1A後半 15~25
1B   30~50
サビ  50~70~50

 

◎歌い方 

〇発音
全体的に日本語がきれい(=子音がクリア・母音もaiueoはっきり発音している)
接続の「が」も、鼻濁音とまでは行かないかもしれないが、丸めになっている
→一部分だけ強く「が」が発声されている。・・・2サビ「この時間が空間が」
 このフレーズの全体像:「優しく笑うきみが この時間が 空間が」
 主語を重ねていくため、朗読などでも自然と強くなっていく部分。
 メロディがそもそも盛り上がっていくフレーズなので強くなるところではあるが、
 この音作り+文章に合わせて歌い方も鼻濁音を完全無視し曲を通して一番力強く歌っている部分。
 明らかに意図的!


〇発声
Aは息混じり、Bからは語尾のみ息多めが多め。
サビがすごい
サビの最高音は裏声っぽい息多め→そのフレーズ内では地声に戻さず、息多めのまま終着
サビのフレーズ:①大きい山 ②小さめの山 の繰り返し
①の登りが地声、山頂で裏声になってその後下りも裏声のまま。
②はすべて地声
最後の①の後、優しいまま行くことできれいに着地
→「影が重なった」の最後のた がとても優しい!(しゃくりなし)
盛り上がっているサビでも息の使い方が巧みなのが顕著!
2サビとラスサビにこだわりの歌い方
2サビ「一番大事なものだよ。」の「だよ」つつみこむ温かさ 
 →前述した一番強く歌われている「時間が空間が」に対応するフレーズで、コントラストにより特に際立つようになっている。
ラスサビ「好きだよ。一言よ?」
 →この直前にしゃくらない工夫(後述)も入れており、特別意識しているフレーズだと考えられる。


〇しゃくり
ニノの歌唱について、しゃくる印象有り。
この曲についてもしゃくっている箇所は少なくない、だからこそしゃくらないところが際立って聞こえる
しゃくらない箇所
・Aメロの語尾
・サビの①大きい山の登り※サビおわりの1つ分はしゃくり、おそらくまとめにかかるため
・ラスサビ「何で言えないのかな?」の「な」
 他同じフレーズではずっとしゃくっているのに、ここだけしゃくらない。


しゃくらない箇所しゃくってみた
・Aメロ語尾 → 語りかけてる感になる(特に1A「隠すでしょ。」「待ってみるわ。」が責めている感じに聞こえる)
・サビの①大きい山の登り → このフレーズが繰り返し出てくるため、くどく感じる。
・ラスサビ「何で言えないのかな?」 →1A同様、責めているように聞こえる。


◎その他
〇息多めの部分について
サビ等、他の声量が大きいところの息多め部分について、レベルが一致しているので温かみを自然に受け取れる。
→マイキングかミックスかで調整されている。個人的にマイキングかな?と思う
〇意図的なビブラートがない
日本語の使い方からして、素直さを重視しているから使っていない?
こまかくふるえる部分はあるが、自然さが増す効果◎

superflyの紅白

2020年12月31日、オーケストラアレンジの「愛をこめて花束を」をNHK紅白歌合戦で披露してくれました!感動

 

今日はお酒飲んでる勢いなのでちょっとバカな文章になってます🤘愛を誰かに伝えたいだけだからいいのだ

以下は私の解釈です!Superflyのすべてのステージを見ているわけではないニワカなので、「いや、バンドの時も一緒やで🤚」とかあったらすんません。

あと、私が感じ取れた3倍以上のことを努力してらっしゃるんだろうな〜ということも最初に言っておこっと

 

なんであんなにクラシックに馴染んで堂々とした演奏になったのか?

ドラムがいるバンド構成のときとは明らかに歌い方が違いました。

まずイントロの時点で、右手で少し指揮っぽいことをしている時点で、後ろに馴染む気が満々やな!と私は感じていました。

Aメロ歌いだして、あっリズム消してる!となったのは、バックの1.2.3.4の正拍すべてが均等(もしくは1のみ重い)なリズムに合わせて音の切際が立たないようにヒュッて抜く歌い方してたからだと思います!

そしてBメロになると、ストリングスが3拍1拍の大きなフレーズ感を取り、歌も音程の起伏よりもそのフレーズ感を立たせるように意識しているように感じました。

 

そして全体的に自由にためて歌っていたところに、「ああ、オーケストラ仕様だな」と思いました。

なぜオーケストラだと自由にためられるのか?というと、バンドだと、ボーカルもリズムを作り出す楽器の一つになるが、オーケストラだと指揮者がいるからリズムのことは指揮者に任せればいい!

一番わかりやすいのは、最後の伴奏が消える「いつまでもそばにいて」の所だと思うのでそこを例にとりましょう。

ドラムがクリック音をモニターしながら叩いていたとして、最後の伴奏が消える「いつまでもそばにいて」の所4拍目(「に」のタイミング)でハイハットが入ってきて、強制的に戻されることが決まっているので、遊ぶとしたら「て」のタイミングくらいです。

一方、指揮者がいればその場次第でも指揮者が合わせてくれて、オーケストラもその指揮者に合わせてくれるので安心です✨

ということで、ソリストみたいに歌心満載で自由な歌唱が実現したと私は解析しました!

 

もちろんオーケストラで演奏して違和感がない王道の作りであること自体が素晴らしく、加えて楽器に親和性のある素晴らしい響きを持った声を持っていることは間違いないです。

ただ、「オーケストラであること」を踏まえこれを尊重した、上記のような工夫が意図的になされているであろう努力も、音楽への愛を感じ尊敬しています。

うまい!の一言で片付けるには失礼やなと思ってしまったので文章に起こしてみました。結局うまいしすごいんですけど笑

帰ろう/藤井風 の好きなところ

 こんにちは!4連休で頭が狂ったパンパレ(米派)です。

 前回は何なんwを例に用いて、藤井風のすごいと思うところ①〜グルーヴ〜を分析しました。

 本来は、すごいと思うところ②〜自然体〜について書くべきところで、私もその予定でした。しかし先程「帰ろう」が大好きな原因に気づいてしまい、いてもたってもいられないので、今回は取り急ぎ「帰ろう」の好きなところを伝えたく発信します。

 

0.前置き

①好きなところ1〜サビの解放感〜

 a.メロディ展開

 b.リズム展開と楽器構成

 c.MV

②好きなところ2〜メッセージ性と寄り添い〜

 a.1番と2番のリズム変化と歌詞

 b.メッセージ性

 c.リアリティ

 

 

【0.前置き】

 前記事にも書きましたが、専門に学んできた者ではなく、ただの音楽好きなだけのニワカなので、間違ったところがあっても知りません。以降語尾にすべて「知らんけど」がつくと思ってください。

 また、今回歌詞の解釈について触れる部分が後半あります。歌詞解釈なんてすごく人それぞれなもので、決して藤井風さんがこう考えて書いたんだろうなと推し量るものではなく、私はこう受け取った!という話です。読んでくださる方は解釈が違っても「こう感じた人もいるんだな」と軽く流してください。

 前置きが長くなりましたが、音楽の深部をパブリックに触れることはそれだけ危険性があるものだと考えているからです。その危険性を理解していても語らずにはいられないという深い愛をこの前置きから感じてください(?)

 

帰ろう/藤井風

https://youtu.be/goU1Ei8I8uk

 

 「帰ろう」が私のツボにハマるポイントは次の2点です。

①サビの解放感が半端ないところ

②メッセージ性と寄り添い

 まず①サビの解放感が半端なくなる原因を、a.メロディ展開 b.リズム展開 と楽器構成c.MVの3つの側面から考える。

 

  a.メロディ展開

 この点については、多くの人が初見で驚かされたことだろう。

 Bメロは、16分音符を用いたリズミカルな1小節フレーズを、音程を下げていく展開。し降りきったところからそれまでのフレーズを短縮したような形で勢いよく滑らかに上昇し、E(ミ)の音に達した3拍目裏以降同音をキープしそのままサビに突入する。

 その間コードはもちろんサビに向けて進行している。めっちゃここで胸キュッてなるんやけど。わかる?サビ直前の駆け上がるメロディに「どんなサビがくるんだ……」とドキドキワクワクしているところにまさかの音程キープでサビに突入…?!感涙

 私は特にコード進行について浅学なので、サビ1小節前3拍目以降の3つのコードの効果について解説してくれる人を心待ちにしているが、Eをキープしたままサビに突入した結果サビ頭のボーカルが9thになってしまうところにaikoみを感じる。

 

 b.リズム展開と楽器構成

 イントロ…ピアノ。空間を大事にした音を詰め込まないフレーズ

 1Aメロ前半…ピアノ+歌のみ

 1Aメロ後半…ストリングス、シェイカーみたいなん入ってくる(8分刻み)

 1Bメロ…シェイカー16分刻みになり、全体も8分刻みになる

 1Bメロ終わり(サビ直前)…シェイカー消え、他楽器も刻みではなく大きい流れるフレーズになる

 サビ…ストリングスによる大きいフレーズのオブリガート

 

 リズムを刻むBメロとの対比によってゆったり感、解放感が増幅されている。

 Bメロの刻みは、ピアノだけに任せるのではなくストリングスも刻むことで、弦楽器ならではの「打点の見えなさ」が刻みの印象を和らげている効果を感じる。一方でシェイカーは16分より更に細かい三連符を入れている所もあり、明らかにAメロやサビと差別化を図っている。

 また、基本的なコードチェンジのタイミングが小節毎もしくは拍頭なのに対し、1Bの4小節目は、2拍目16分4つめで変えているところに「前のめり感」を感じて良い。

 1:04- https://youtu.be/goU1Ei8I8uk

 ちなみに、2番以降は安定してリズム隊が存在し、ベース・ドラムはもちろんピアノも前に押し進める構成になる。

 1番と2番のリズム変化については、ただの曲展開ではなくメッセージ性があるものと私は捉えている。この点については後ほど②メッセージ性と寄り添い で述べていく。

 

 c.MV

 MVの素晴らしさについては、藤井風氏本人も動画で述べており、音楽以上に映像については素人なので、軽く触れるに留める。 https://youtu.be/36fhfRh_iVk

 今までa.b.で述べてきた展開が映像によっても演出されている。

 Bメロの刻むところで走り出し、更に時計の秒針も映すことで「刻み」の持つ意味が物理的に前に進むだけでなく、時間経過的にも前に進むという意味を持つことになる。

 そしてサビ直前で刻みが消えるところでスローになり、サビ頭解放の瞬間で身を投げ出す藤井風………耳から感じてたイメージ完全にこんなんやった…………

 私は先に曲だけを聞き、後からYouTubeでMVを観たがびっくりして口空いたし泣いた。聴覚だけで鳥肌立っていたものが視覚からも攻められて最強。

 軽く触れるに留めるためにここで終わっときます。

 

 

②メッセージ性と寄り添い

 a.1番と2番のリズム変化と歌詞

 MVについて を挟んでしまったが、1番と2番リズム隊の存在感の変化について、歌詞から読み解いていく。

 1番は『この傷は疼けど、この渇き癒えねど』などマイナスの言葉を用いながらそれを切り離そう、という内容になっている。「とりあえず暗い過去を振り払う」「憎んじゃいけない」という、ベクトルが後ろを向いている印象を受ける。

 一方、リズム隊がしっかり押し進めていく2番には『ありがとう』『幸せ絶えぬ場所』というプラスの言葉が使われており、主人公(?)が過去と決別し前を向いて進むことが出来るようになったように捉えられる。

 一番で強烈な解放感を植え付けた後、しっかり前へ推進力を持った展開にすることで、明るく元気な曲とは言い難い曲調ではあるが、悲しみに寄り添うような優しさの溢れた曲となっている。

 

 b.メッセージ性

 1番と2番サビ終わりにリフレインされるフレーズ『憎みあいの果てに何が生まれるの』というフレーズは、非常に抽象度とメッセージ性が強く、世界平和を願うような規模に捉えることもできるため、個人的にはこのままだと押し付けがましく感じてしまう。しかし直後に『私、私が先に忘れよう』と主人公(?)に矢印が向くことで、その抽象度を「自分の中にある憎しみ」に限定している。個人的に『私』を重ねているところが自分に言い聞かせているようなとても人間らしい機微を感じて好き!

 

 c.リアリティ

 そして最後『あぁ今日からどう生きてこう』という歌詞で締められる。

 この歌詞について、YouTubeのコメントを流し見た限り解釈が分かれそうな点だと感じており、以降は私の感性によるもので様々な考えがあると理解した上で述べるのでご理解願います。

 

 

 

 『あぁ今日からどう生きてこう』

 この歌詞は、憎しみや背負ってきた荷物から解放されながらも心の底から喜べないような感情を覚えた。

 憎しみのような負の感情は、強いエネルギーを持っており「復讐してやる」「見返してやる」といった原動力になる。この感情に操られて歩んできた人が、その原動力の憎しみを手放すこととした場合、次になにを目標として何のために生きればいいのか?途方にくれてしまうのではないかと思い、その時の呆然とするような感覚が歌に混ぜられているように感じた。

 憎しみを捨てたとて幸せに生きられるわけはない、それでも先に私が忘れなければならないという苦しい感情も混ざった後味に仕上げるワンフレーズで、綺麗なところだけを凝縮した説教臭い曲ではないなぁ…と思った。(別に説教臭い特定の曲が浮かんでいるわけではありません)

 ただ放心・絶望するのではなく「生きてこう」という 生きる ことが前提であることは忘れてはならず、本人が語る「生きることを諦めんで」という言葉を刻み、私は4連休明けの明日以降ももがいていきます。幸せに死ぬために。

藤井風氏のグルーヴ感について

 藤井風、めっちゃハマったパンパレことパンのパレードです。

 これからパンパレが持つ限りの知識と視点で藤井風さんのすごさを部分的に語ります。

 配信で喋ったほうが、みんなの理解度を確認できるけれども、話したこと忘れてしまうので「自分の考えたことメモ」として残します。専門機関で学んだ者ではないので、間違った点などありましても知りません。これからの文章は全部語尾に「知らんけど」がつくと思ってください。

 

Ⅰ.はじめに

Ⅱ.藤井風のすごいと思うところ①グルーヴ感

   1.ゴーストノート

   2.入りのタイミング

   3.切り方のバリエーション

Ⅲ.終わりに

 

Ⅰ.はじめに

解説したい藤井風のすごいと思うところ(ざっくりです。もっとある。)

①グルーヴ感←今回はコレ

②自然体

 

グルーヴ…ノリみたいなもの。リズム感の一種。

 一定に刻まれているリズムへの音の乗せ方。早め(前め)にのる、遅め(後ろめ)にのることで生まれる波。

 何なんwのグルーヴが特にエグいのでこの曲を中心に例に用いて解説する。

 https://youtu.be/Nt6ZwuVzOS4

 この曲の基本は、多くの日本人がノリきれない16シャッフルビートが用いられている。

 全体的にキツめのシャッフルで進行するが、ドラム、ベース共に積極的に埋めておらず(前半1.3拍目の裏拍を抜いているドラム、ピアノも横軸の進行役として存在するものの最小単位が基本8分である)、ボーカルのグルーヴによって曲の印象が左右される構成になっている。

 今回は歌唱のグルーヴについてが焦点なので、何なんwという曲全体の凄さについての解説はまた別の機会に設ける。

 

 何なんwが自然と体を動かしてしまいたくなる曲に仕上がっているのは、ひとえに藤井風氏による歌唱が非常にグルーヴィーだからである。

 

藤井風歌唱のすごいところ(具体的に)

1.ゴーストノート

2.入りのタイミング

3.切り方のバリエーション

YouTube基準で秒数表示のため、サブスク等利用の場合数秒の誤差有り(Amazon musicは表示-5秒)

 

Ⅱ.藤井風のすごいと思うところ①グルーヴ感

 1.ゴーストノート

 ボーカルとして採譜される部分にない、歌詞のない聞き逃してしまいそうな小さな音がノリを生んでいる。

例)1:53-「そっちへいっては」の直前

  2:08-「先駆けて」の直前

                等

 ゴーストノートのタイミングは16シャッフルのシャッフル部分ジャストである。つまり、8分や4分のタイミングでもなく、16より細かいタイミングでもない。

 

 2.入りのタイミング

 これは、拍の迎え方と言うこともできる。

 そもそもリズム感は、音の①立ち上がり②切り のタイミングで示される。

 合奏などでは、バラバラになることを防ぐため、メトロノームなど一定に刻まれる拍と全く同時に音を出すことを目標とする。

 しかし主旋律を担う演奏者としては、拍に対してどのように音を乗せていくかという点は個性・センスが表れる部分であり、グルーヴが機械では表現し難い所以である。

 何なんwでは、歌詞の1音目から拍にぴったりでないタイミングで入っている。

 「あんたのその歯に〜」の最初「あ」の部分は、楽譜に起こすと恐らく3拍目の裏になるところを、それよりも早く下のエッジボイスから声を出し始め、気づいたら歌い始めているような状態。

 正直私はどのタイミングで声を出し始めているのか何回聞いても分からないし、分からないので真似しようもなく、あのグルーヴ感を再製する夢は1音目から砕かれてしまっている。

 それ以降も、特にAメロの語尾にかけて、拍に対し少し後ろ目に歌っており、脱力感を醸し出している。かと言ってずっと遅いわけではなく、恐らく「ため」やすい子音がフレーズの中で出てきた際、無意識に長めに発声している。(フレーズの頭で出てきた場合は長めにしないもしくは拍より前に出し、母音を拍と合わせることでリズム感を保ったままグルーヴ感及び脱力感を演出している)

 ためやすい子音…S、M、N、L

 〈フレーズ中ためている例〉

 1:20-「知らないほうが良かったなんて」の「な」

 1:46-「雨の中一人」の「り」

 〈フレーズ頭で前に出す例〉

 1:28-「何があってもずっと大好きなのに」の始め

 これはほんの一例で、特にBメロは「ため」のオンパレードなので、注意してみてほしい。

 また、Kはためづらい子音(母音との分離が難しい)だが、彼は曲が落ち着く部分でこの子音を効果的に長く使っており、そこにも感銘を受けている。この点と、Bメロにタメが多く発生している理由についてはまたそれぞれの曲解説をする際に触れたいと思う。

 

 3.切り方のバリエーション

 2冒頭にて、リズム感は音の①立ち上がり②切り のタイミングで示されると述べた。

 藤井風氏は切り方の引き出しも多く、自由自在に操っている。

 切るタイミングが見えない、減衰させて切る方法は、「優しさ」「帰ろう」などで見られる。(優しさでは以降紹介する切り方もあるため、バリエーションが豊富である。)

 

〈減衰させない切り方〉

 わしは言うたが…語尾に「っ」が入るような感じ。このように切ることで3拍目裏が休符にも関わらず明確に示されている。

(サビでは2で紹介した子音長めの入りが少なめになっており、拍とほぼ同時に入ることでバックの楽器との一体感が演出されている)

 

〈音を下ろす切り方〉1Aメロで紹介

 1:03-青さ粉に…割とすぐ下ろすが下ろしていることがわかる

   悩んでる…すぐ音が消えているが、声を止めておらず、恐らく音を(声と息の間くらいの声量になるタイミングで)下ろす形で切っている。息の方が声よりも後に残っている。

   大好きなのに…下ろす時間長め

   どんなときも…「も」の母音の時よりも口を開けて切っている。

 

〈音程変化無し、自然減衰〉

 3:53-

 

〈音程変化無し、息を押し出して切る〉

 3:53-「優しい気持ちで」

 

〈音程上げめに切る〉

 4:29-「何なん〜」フェイクの切り方

 

 下ろす切り方が多いのは、ゴーストノートを多様していることが関係しているのではないかと考える。

 音にならない音を、フレーズの初めに低い音で用いるゴーストノートは、直前のフレーズを切る際に低い音のところまで喉を持って行くと自然に出やすい。また単純にモチーフが駆け上がっていく形なので、ゴーストノート関係なく音を下ろして切ると繋がりが良くなる。歌い手が歌いやすいフレーズは、聞き手も聞きやすい。

 「帰ろう」では、〈下ろしてエッジボイスに変化させ、これを次のフレーズインのゴーストノートにする〉切り方をしている部分がある。

 https://youtu.be/goU1Ei8I8uk

 0:54-「何も持ってない〜それじゃ」〜の部分

 

 

Ⅲ.終わりに

 これまで紹介した点は、頭で理解したとしても自在に操れるものではなく、恐らく本人も、無意識、もしくはこのような表現をすると決めていたとしても具体的なタイミングについては本能にやっている部分が多いだろうと考える。

 つまり歌う度に異なった表現がされるアーティストなのだろうし、ライブとか全部飽きないんだろうな………最強かよ………